NHK総合診療医ドクターG【お父さんが、倒れた!60代を
襲ったおなかの激痛!持病の腰痛の陰に隠れた謎とは?】
◎ドクターG:金森真紀(洛和会音羽病院総合診療部医師)
◎研修医(医師免許を取得して臨床研修を行なっている医師):
・小澤廣記(東京都・武蔵野赤十字病院)
・河村裕美(大阪府・耳原総合病院)
・堤健(千葉県・総合病院国保旭中央病院)
●今回の患者…横山恵一(67歳男性、無職)※身長170cm、体重68kg
【基礎データ】体温37.2度、血圧110/80、脈拍85回/分
【主訴】おなかが痛む
定年退職後の67歳の男性、妻と行く海外旅行を楽しみにしていた。もともと腰痛持ちだが、
ある日、孫と遊んでいて何とも言えない腹痛が走った。その後の日常生活でも、ふとしたときに痛む。
しかも、一日に何度も。ドクターGは痛むときの体の姿勢に注目。
【診断】(化のう性)椎体炎
(化のう性)椎体炎とは、泌尿器の病気などが原因で、大腸菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が
血液やリンパ液を介して椎体(背骨)に入り、化膿させる病気。高熱が出て、腰のあたりに
激痛が走る。膿が脊髄(神経)を圧迫して、足がしびれることもある。糖尿病やガンなど
抵抗力が弱くなった人や、中年、高齢者に多いとされている。治療は、確実に菌がなくなるまで
抗生物質を数週間、点滴する。