NHK「総合診療医ドクターG」【ママ助けて…5歳女児に高熱と腹痛が!
謎の症状次々と!鍵はそうめん?猫のミー?】
◎ドクターG:齋藤昭彦(新潟大学医歯学総合病院小児科医師)
◎書記:高地貴行医師(小児科医師)
◎研修医(医師免許を取得して臨床研修を行なっている医師):
・前田裕斗(神奈川県・川崎市立川崎病院)
・加藤萌(愛知県・公立陶生病院)
・戸田有亮(兵庫県・神戸市医療センター中央市民病院)
第12回 患者の訴え「5歳児が突然、高熱と腹痛に…」
■今回の患者…鈴木茜ちゃん(5歳)
※身長110cm、体重16kg
【基礎データ】体温39.3度、血圧92/58、脈拍110回/分、呼吸数22回/分
【主訴】5歳児が突然、高熱と腹痛に…
祖父母の家に預けられた5歳の女児が、ある朝、突然、高熱と腹痛に見舞われた。
鼓膜の内側に水がたまっているなどの症状があるが、祖父母は普段の女児の生活を
詳しく知らない。1時間後、母親が東京から駆けつけ、女児の日常について話し始めた。
結局、女児は脱水のおそれがあり入院することに。血液、尿、そして、レントゲン検査を
行うが、病名は特定できない。果たして、研修医たちは最終鑑別にたどりつけるのか!
【診断】川崎病
川崎病は皮膚粘膜リンパ節症候群(MCLS)とも呼ばれ、1967年、川崎富作博士によって
報告された主に5歳未満の乳幼児に発症する熱性疾患。
症状としては抗生剤に反応しない高熱が続き、特徴的な皮膚粘膜症状を伴う。
急性期の炎症症状はやがて消退するが、のちに冠動脈の動脈瘤、 弁膜症、心筋炎など、
心臓血管系に重い後遺症を残す可能性がある。原因は不明だが、感染症が疑われる。
※日本の川崎病患者数…1万3917人(2012年)
今回の患者・鈴木茜ちゃんは、心臓の冠動脈のこぶの発生を予防する
免疫グロブリン製剤などの投与を受け、熱は治療後すぐに下がり体調は回復、
入院10日目で無事帰宅した。早期治療がなされたため、後遺症は見られなかった。